コンタクト先

〒107-0052

東京都港区赤坂 1-14-5

アークヒルズエグゼクティブタワーN313

Tel:03-5545-9597

Fax:03-5545-9598

 

お問合わせはこちらから

ogura@udr-inc.com

 

English Site

English

Affiliated Firms

インドのアイスクリーム市場

インドのアイスクリーム市場は典型的な季節商品で、夏の数か月が需要のピークと見なされている。冬は消費が急激に落ちて、売上・利益とも下落する。

 

しかし、多くの革新的な商品が市場に出回るようになり、インドの消費者は寒い時期でもアイスを食べるようになり、冬季の売上も上昇している。

 

インドのアイスクリーム市場は約300億ルピー(約494億円)と推計されており、国内外の多くのメーカーが多様なブランドを展開している。有力ブランドとしてはAmal、Kwality、Walls、Mother Dairy、Vadilal、Cream Bell、Basakin-Robbinsがあげられる。

 

Haagen-Dazs、Baskin-Robbins、London Dairy、New Zealand NaturalsとHokey Pokeyは高価格の高級アイスクリームを提供し、Amal、Cream Bell、Mother Dairy、Vadilalは幅広い価格帯の商品を揃えている。

 

最近では、フローズンヨーグルトやジェラートのような海外から輸入された、新しいコンセプトのアイスクリームに人気が集まっている。フローズンヨーグルトとしては、Cocoberry、Red Mango、Yogurberryが知られており、ジェラートではAmore、Gelato Vinto、Gelato Italianoが人気商品となっている。これらの商品は、インドではプレミアム又は超プレミアム商品として位置づけられている。

 

ただ残念なことに、アイスクリームのインド国民一人当たり年間消費量はまだかなり低く、世界の消費者一人当たりのアイスクリーム消費量が年間2,300mlであるのに対し、インドは年間400mlにすぎない。

 

欧米先進諸国と異なり、インドの人々はmithai(インドの伝統的なスイートの総称)のようなお菓子を好んで食べている。アイスクリームはインドの消費者に浸透しはじめたばかりで、まだまだ需要の増大には時間が必要だ。

 

インドの大手食品メーカー、Mother Dairy Fruit & Vegitables社によると、インドにおけるアイスクリームは日常的な食品ではなく、酷暑の夏をしのぐために衝動的に食べたくなるものにすぎない。アイスクリーム市場の需要は、ほんの一部しか顕在化しておらず、これから大きなビジネスに成長する可能性を秘めている。

 

いままでは4月-6月をピークに11月-1月は販売が振るわなかったが、消費者意識の変化、小売店舗の拡大、商品の品揃え、革新的な商品の投入、各メーカーのマーケティングやプロモーション努力等により、アイスクリーム市場はここ何年かは年率12%-15%で成長する、インドで最も前途有望な食品分野の一つになった。

 

今後、より多くのローカル企業が事業を拡大し、海外からの新規参入企業も増えることが予想されるが、インドのアイスクリーク市場は厳しい競争を伴ってますます発展するだろう。

 

ブログ執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央