南ア最大の通信事業者、ボーダコムがm-pesa(非接触型決済サービス)を補完するプリペイドカードEMVを本格展開する。 カードは主要な国際決済スキームの認定を受け、南アフリカのEMV対応端末24万台ATM27,000台で利用可能だ。これによりボーダコムのサービスは大幅に拡充されることになった。
EMVはユーロペイ、マスターカード、ビザの代わりになるもので、ボーダコムのm-pesaのアカウントとシームレスにつながる。同カードの安全性は国際的なデジタルセキュリティ会社のジェムアルト(本社オランダ)によって担保されている。
ジェムアルトのソリューションは、カードのデザイン、生産、自動パッケージング、販売拠点への配送等を網羅しており、このシステムを使うことで、ユーザーは現金なしで商品やサービスの支払いを行うことができる。
M-pesaと連携するEMVカードはボーダコムの代理店8,000店から入手可能で、利用希望者は誰でも容易に加入できる。ユーザーはお財布携帯アプリを通して、銀行口座の残高をチェックでき、残高が少なくなるとSMS(ショートメッセージ)でお知らせが届く。
M-pesaはPINで守られているバーチャルアカウントなので、たとえEMVカードが盗まれても、勝手にアカウントから預金を引き出すことはできない仕組みになっている。
今回のプロジェクトにより、ボーダコムは大規模にEMS銀行カードを展開する、アフリカ初の通信会社になった。
補足情報:Pesa(ペサ)」とはスワヒリ語で「お金」を意味し、「M-Pesa」とは「モバイル・ペサ」の短縮系で、ケニアではお金と同義になりつつある。実際ケニアではM-Pesaによる取引はGDPの4割ほどの規模に成長しており、ケニアの国境を越えて南アフリカ、アフガニスタン、インド、最近ではルーマニアへまでその利用が広がっている。このシステムではスマートフォンは必要なく、発展途上国で非常に一般的でベーシックな、いわゆるフィーチャーフォン(日本ではガラケーとも呼ばれる)上で動作する。テキストメッセージの送信ができれば、M-Pesaは利用できる。
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
M-PESAの仕組み(概要図)
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